VOICE メディアデビュー!

学生団体VOICEがGANBARUZINE!で特集されました。

GANBARUZINE!(ガンバルジン)は、頑張る大学生を応援するWebマガジン、だそうです!

僕らが頑張っていたから、応援してもらえたのかな。


◆代表 及部一仁インタビュー

◆VOICE 団体概要


ぜひぜひ、ご覧下さい!


インタビュー記事の更新が滞ってしまい、申し訳ございません!
VOICEは、プロボラインタビュー部隊として結束された団体です。


現在、彼らが魅力的な記事をとどけるために奔走しております!


あしたは2件のインタビューがはいっておりますので、
これからのVOICEに期待して下さい。

今までの記事を分割化し、見やすくなりました!


今までの記事を分割化し、見やすくなりました!

再度読んでみても、奥が深い内容だなーと思います。


vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (1/3)

vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (2/3)

vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (3/3)


Vol.2 セカンドハーベストジャパン 理事 秋元健二氏(1/2)

Vol.2 セカンドハーベストジャパン 理事 秋元健二氏(2/2)


ぜひぜひ感想をお願いします!

Vol.2 セカンドハーベストジャパン 理事 秋元健二氏(2/2)

changeforjapan2008-07-21



「職場の理解をつくってしまう行動。システムの社会化を目指して!」



VOICE

そういった言葉を頂きながら、関わる時間を増やしていったんですね。


秋元

いつも行かない曜日にオフィスに行った時があって、そこで、炊き出しのボランティアから
事務局長になった和田さんと、理事長のチャールズがいて、3人で団体について話しをしました。

僕はそこで、セカンドハーベストジャパン全体像が見えた。

今までやってきたミクロな仕事が、マクロのシステムと繋がった瞬間でした。

別の言い方をすれば、団体と自分の役割という繋がりを超えて、この団体の武器を利用して、
自分の思いを社会に投げかけられるほどの価値があると思いました。

そうしたら、週に1日じゃ全然足りないなあと思いました。

丁度、セカンドハーベストも、僕に渉外を突然お願いしたい時にも、対応してもらえるように、
サラリーで約束を取り付けたいと思っていました。


そこで、僕は、仕事の権限がもらえるならと思い、有償ボランティアの領域に入っていきました。

今までは無償ボランティアだったわけですが、本心からお金がいらなかったか?
といえば素直に肯定は出来ないです。

低コストで運営すること自身がより多くの人々を支えることになるので、
NPOに特別の負担をかけるつもりはないですが、本業へかける時間が減
る分お金はほしかったですね。(笑)

そして、有償ボランティアとして取り組み始めたのが、入って2年位です。

そういう関わりを1年続けてからシフト制になった。

そうすると、向こうがまた違った仕事を提供できる。

今は、理事になったので、フリーで仕事をしています。


VOICE

ドライバーから有償ボランティアになり、理事になられた。どのようにして本業と折り合いをつけてきたのでしょう?


秋元

そもそも、仕事に区分する枠ってあるのか?というのがあります。

自分の目的が、成長や、自己実現に置いているとしたら、
自分にとって諸々の活動をどう位置づけるか次第だと思います。

その上で、職場の理解はすごく大事になります。

「大学に行ってきます!」と、「セカンドに行ってきます!」というのでは、やっぱり全然対応が違います。

有償ボランティアの時は、仕事の合間、合間を見計らって時間をつくれたから、
大丈夫だったんだけど、固定で2、3日来ようと思うと、さすがに難しいよね。

このまま続けていくと、職場の関係がギクシャクしてしまうと感じ、勤め先に協力してもらおうと思いました。

そこで、


「僕がセカンドハーベストに行く事によって、このようなネットワークが形成されます。
その資産を使っていけば、当団体にも、こんなメリットを提供出来るから、ぜひ継続させてほしい」


というような内容で年度末にプレゼンをしました。

そうしたら、やってみたらっていわれました。笑 

もちろん、自分がもっていた仕事を引き継いでもらう訳だから、同僚は良い顔はしないけど、
自分の中でのわだかまりは無くなった。そこの折り合いはしっかりつけたほうがいい。

また、自分が社会に何をアプローチしたいのかを考えているならば、
NPOとの関わりを自らの企業の仕事と繋げてしまうのが大事じゃないかな。

ボランティア休暇というのがあるけれど、ボランティアというのをスキルアップの一貫として
NPOに送り込むのがアメリカである中で、「休暇」という仕事と切り離している視点に違和感を感じます。


VOICE

ボランティアとして関わるのも、継続していくのも、待ちの姿勢ではなく、
自ら働きかけていくのが大切ということですか。


秋元

そうですね。

ただ、プロボラとしてNPOに関わる上で、大切にしてほしいのが、素人のボランティアっぽさです。

NPOには色々な利害関係者がいて、その人達に働きかけるロジックを考えていると、
シンプルな志を忘れている時があるんです。

こっちは色々と試行錯誤した結果に、その食料はリスクが高いから引き取れないって決断を下した時に、
スタッフから、「でもそれってもったいないじゃないですか」と言われた時に僕はハッとした。

4年もやっているから、団体やNPOの知識や経験や利害関係者を考慮することを覚えて来たけれど、
そこから抜け出していくことが課題になっていた。

そもそも、NPOで広報や財務や営業をやるってことを、どういうことかを考えないといけない。

そうしないと、ただ企業から引っ越してきた財務屋さん、営業さんになってしまう。

それではダメだと思います。


VOICE

秋元さんのこれからについて教えてください。


秋元

みなさんは、自分が、福祉の分野に関わることって一生ないと思っているけども、全然そんな事はない。

突然、自分がその場面に立たされる事もあるし、身近にあるそういう分野を見過ごしているだけかもしれない。

僕も、システムの社会化って、口では言っていたし、ロジックでも分かっていたけれど、実感がなかった。


だけど、最近になって、あるお母さんに


「セカンドハーベストが食料盛ってきてくれて、本当に感謝していて、安心して生活できます」っていわれたて、
どうして安心出来るのかって、つい聞いてしまったんですよ。


そしたら、彼女は辛かった時をフラッシュバックしてしまったらしく、泣いてしまった。

その後に、彼女は、


「自分が明日の食べものがないなんて全然耐えられる、けれども、自分の子供に対して、明日の食べ物がない
という怖さがわかりますか?その怖さがなくなるだけで、私は安心して生活出来ます。」


と言われた時に、システムを社会化するっていうのは、こういう事だと思った。

だから、僕は全国にフードバンクのシステム広めていきたいし、その理解も広めていきたい。

食料が欲しいと思ったらすぐに手にはいる、社会への安心感を創造したい。


VOICE

今日は本当にありがとうございました!

Vol.2 セカンドハーベストジャパン 理事 秋元健二氏(1/2)

changeforjapan2008-07-20


今回はセカンドハーベストジャパンで理事をされている秋元健二さん。


秋元さんは社会教育関連団体に所属しながら、セカンドハーベストジャパンの渉外担当理事として活躍する、
プロボラの未来を予見させるような方です。


そんな秋元さんからインタービュー前に言われたことがありました。

「自分は気づいたら今のような活動をしているのであって、特別な人と捉えて欲しくない」と。

私たちもそう思っています。

ボランティアを行なう・・・偉い人・・・というイメージは払拭したい。

偉い人がいるってことは、その対極に弱い人・下の人がいるってことに見えてしまう恐れがあります。

もっと普通のことにようにボランティアできる雰囲気をつくっていきたいです。




Profile
1965年埼玉県出身。大学4年の時に先輩に誘われるままに大学を中退し企業に入社。
2年後、今度は知人に誘われるままに社会教育関連団体に転職。
事業部でツアーコンダクターやイベントプランナーを行なう。

楽しさとやりがいに満ちていたが、入社12年目に様々な出来事が重なり、
自身の価値観を再構築したくなり中退した大学へ再入学、専門は動物愛護法であるが、
なぜか福祉系のNPO法人セカンドハーベストジャパンへ自ら飛び込んでいく。



「臨時ドライバーからはじまった旅を継続させたのは恥ずかしさ、悔しさだった。」


VOICE

秋元さんがセカンドハーベストジャパンに関わるきっかけは何だったんでしょうか?


秋元

僕は、セカンドハーベストジャパンに携わろうと思って、入ったわけではないんですよ。

博論を書くためにNPOを取材する必要があって、山友会に取材をしていました。

山友会は路上生活者の自立支援のために無償医療を行っているNPOで、僕は半年くらいそこに通っていたんです。

そこでの取材も終盤になっていた時に、山友会に食料を運んで来ていたドライバーがいなくなったと聞いたので、
取材の恩返しのつもりで、僕がドライバーをやろうと思いました。それが4年前になります。

団体の人に、「僕がドライバーをやってもいいですよ。」と言ったら、
「それじゃあセカンドハーベストに行ってくれ」と鍵を渡されて、この団体を知りました。笑 


VOICE

最初は臨時のドライバーだったんですか!笑 

実際にセカンドハーベストジャパンに行ってみてどうでしたか?


秋元

まずは、食料を頂ける企業に行って、それを車に積んで山谷の施設に配りにいきました。

僕は、臨時のつもりだったから、とりあえず受け取った物を受け渡せばいいやと思っていたけど、
預かった物が1施設では引き取れる量じゃなかったので、他の施設にも配りに行く必要があった。


VOICE

他の施設の方は、食料を受け取ってくれましたか?


秋元

初めのうちは、施設の人は全く受け取ってくれなかった。

施設側にしたら、いきなり車でやってきた奴が、無料で食料をあげるなんて言われて信用されるわけない。

その時は、うるさいとか言われて、水を引っ掛けられたこともありました。苦笑

それでも、毎週、毎週配達を行って、3ヶ月くらい経った時かな。

施設の人がこちらの活動に共感してくれてさ、食料が沢山さばけるようになったんだよね。


VOICE

当初は1ヶ月くらいでいいやと思っていたのに、3ヶ月もドライバーを続けていたのは何故でしょうか?

それも、水などをかけられたりしながらも、、


秋元

もちろん、何故こんなことをやっているんだって考えましたよ。

けど、悔しかったんです。そして恥ずかしかった。

ドライバーを手伝う前は、福祉施設に半年も取材に入っていたのに、
彼らに対する共感能力が自分にはないという事に気づかされてしまったから。

やはり、施設の方も、食料は欲しいんですよ。

けれど、彼らには、利用者を守るというプライドがある。

その食料は本当に安全か?滞らずに提供出来るのか?
といった疑念は、受け手なら感じる当たり前のことです。

そこに対する共感能力がなく、

「食料があるからもらって下さい」という上からの目線で見ていた自分がとても恥ずかしかった。

だから、配送を続けていたんだと思います。


VOICE

3ヶ月経った後も、ドライバーとして配り続けていたのでしょうか?


秋元

今度は、施設の需要が多くなってきて、配る食料が足りなくなってしまった。

それで、他の企業に食料をもらいに行き始めたけれど、企業からも怪しまれました。笑

今ほど、フードバンクの認知がなかったこともあったから、全てを引き取る事で理解してくれると思ってさ、
ゴミを含めて、全部こっちで引き取って、峻別していました。

本当に大変だったけど、それを続ける内に、少しずつ企業からも協力を得られて、
15施設に対して丁度良く食料が配れるようになりました。

食品業者の方と話すと、彼らは本当にもったいないと思っているんです。

そして、
「今まで、泣く泣く捨てていた食料が福祉に役立ててくれることに、本当に感謝しています」
と言ってくれて、たまらなく嬉しかったけれど、今度は僕の時間が足りなくなってきました。笑

vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (3/3)

「市民がNPOに直接参加出来る回路をつくりたい!」


VOICE

変な言い方になってしまいますが、アースデイマネーもサービスグラントも片手間でやれたと思うんです。

けれども、06年3月に仕事を辞められた。

そこまで本気になるには、そもそも、何かに対する怒りがあると思うんですが、
そのあたりはどうでしょうか?


嵯峨

僕が日本総研辞めた理由は、官公庁の受託業務に嫌気がさしたんですよ。笑 

官公庁から○○調査をやってねと受託することが多かったのですが、その事業案件の中にいい事業もあります。

けど、大半は、マーケティング視点がかけてるんです。

国は予算とるとこまで一生懸命なんだけど、事業は結構適当なことが多い。きめ細かくない。

彼らは、やったという説明資料は沢山つくるんですけど、それが市民に届くほどに、きめ細かくやっているか。

やってないですよ。

そこで、僕は、もう行政の回路を太くする必要はないんじゃないかと思った。

税収と財政支出のサイクルから離れたところで、自分のスタンスをおきたいと思ったんです。

市民や民間のとこで、サイクルをつくれるようなところでやっていきたいと思ったんです。


VOICE

そこで、市民がNPOに参加できるような回路をつくるスタンスをとりはじめたんですね。


嵯峨

そうですね。

日本総研に入ったときから、市民が主体となった地域づくりや、市民が中心となった社会をつくる
ということで「共生」をテーマにしていましたからね。

異質な他者との共生ですね。


VOICE

共生というところで、NPOらしい収益のあげかたというところが大切になってくると思うんですよね。

これは嵯峨さんが記事も書かれていた事です。*1

この出来事がきっかけとなり、共生的利益のあげかたを考えたといっていましたが。


嵯峨

結局は商業っぽくない掲載方法にすることで、協賛金を募りました。

僕も、色々と口ではいってるわりには、実際にお金をもらうときは、つい恥ずかしくなっちゃって。

そこのバランス感覚難しいよね。本当に模索中ですよ。


VOICE

この、NPOらしさっていうのは、貫いた方が良いと思いますか?

NPOは稼いだらいけないわけではないので、稼げば良いと思うです。

だから、NPOらしさみたいのが言われないようになったほうが良いこともあると思うのですが。


嵯峨

NPOらしさってなんなんだろうね。

僕は、NPOの商品は夢だと思うんです。

このサービスでこういう未来があると感じられないとダメだと思います。

今は、50、100人にしかサービスを提供出来ていないけど、
これが広がっていけば何万人も助けられるんだというのがあるわけですよ。

フローレンスなんかはまさにそれをやっている。

彼らは事業体としてしっかりやっていますが、彼らは自らの事業体としてシェアを広げていったり、
日本全国を制覇しようとしているとは思えない。

情報発信をしたり、フローレンスのモデルを提示していったりすることで、
彼らが取り組んでいるイシューへの関心を高めて、全国各地で変化が起こればいい、
変化を起こす人が立ち上がればいいと思っているのではないか。

そういったところに僕は、NPOらしさを感じますよね。


VOICE

サービスグラントTOKYOでスキル登録をしている方が160人ほどいるようですが、参加にいたってない人、
登録してるけど参加してない人にはどういった考えをもっていますか?


嵯峨

今は、登録者とプロジェクトの数がバランスしている。

あるとしたら、
HPのニーズが多いので、グラフィックデザイナーの方の出番が少ないかな。

参加に踏み込めない人は、サービスグラントは大変そうと思われているようです。

けど、仕事との折り合いは相当つけやすいと思います。

週5時間程度であれば、本当に片手までできるボリューム感です。

周りからの後押しがあるのは大事かもしれませんね。

でも、今は、事務局が強くならないといけないですよね。

後は、NPOの開拓ができていないですよね。


VOICE

サービスグラントTOKYOのこれからについて教えて頂けますか?


嵯峨

実は、今年の目標はNPO法人化なんですよ。

NPOは簡単につくれるけど、今までつくらなかったのは、
サービスグラントTOKYOの理事になる人に、
IT系の企業の経営陣に入ってほしいんです。

もちろん彼ら自身もお金を出す。

そして、社員も出してくれる人を呼びかけようと考えています。

ボードメンバーにIT企業の社長やデザイン会社の経営者が入っていると、
世の中に本気なんだなと思ってもらえます。


VOICE

なるほど。素晴らしい目標ですね。

今日は貴重な話しを聞かせて頂き、ありがとうございました!


嵯峨

いえいえ、こちらこそ楽しかったです。プロジェクト、頑張ってくださいね!

vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (2/3)


「雑誌から出たリアル!そしてそこで現れた、数々の気づき。」


VOICE

一朝一夕で日本に適応出来るものではないな。

そういった、危機意識をもち帰国してから、どういった行動に出たんですか。


嵯峨

すぐに行動に出るというようなことはなかったんですよ。

というのも、社内で「サービスグラントは新しい企業の社会貢献スタイルです!」
と提案し、プロジェクト化させようと思っていたんですよね。

けど、そのプロジェクトは理解があまりえられなくて、、。笑 

そんな折に、ソトコトで連載記事を書くことになったんですよね。

そこにサービスグラントに関する記事を半年間連載させて頂きました。

この書く過程が良かった。

サービスグラントに対する理解が整理されたのはもちろんなんですが、
編集者と「サービスグラントはいいねえ!」と、すごい盛り上がったんですよ。

その編集者の奥さんも

地域通貨はよく分からなかったけど、サービスグラントは良いと思う。」
なんていわれちゃって。笑 

そうこうしてるうちに、ソトコトが以前に丸ビルで運営していた「ロハス&キッチンバー」で、
お店を活用してNPOをテーマにしたイベントってありませんかね?と相談されたんですよ。

トークライブとか色々考えたんですけど、せっかく連載もしていたんだから、
サービスグラントでやっちゃいますかと。笑 

すごい軽いノリなんですけどね。

それで、サービスグラントの説明会を12月にやることになったんです。


VOICE

最初の説明会はどれくらい集ったんでしょうか?


嵯峨

それがけっこう集まっちゃった!

立ち見も出る盛況で、30、40人くらいになりました。

これはいけるかもと思いましたね。

説明会が終わってから、スキル登録をお願いしたら、みんな熱い事を書いてくれて。

結局、初日だけで20人くらい登録者になりました。

そこで、まずは6人1チームで3団体に対してサービスグラントをはじめてみることになったんですよね。


VOICE

それが、サービスグラントTOKYOの起源なんですね!

3つのプロジェクトはどういった支援内容になったんでしょうか?


嵯峨

3つともHP作成でした。今でもwebが多いですからね。

初めは本当馴れなかったから、カフェで月に1度集って、3つ合同で進めていたんですよね。

期間は6ヶ月を目安にしましたが、延びてしまうことはもありました。



VOICE

実際に始動しはじめたわけですが、どういった発見がありましたか?


嵯峨

サービスグラントの優れているところは、すでにチームが出来ているところなんです。

個人でボランティアをやっていると、なかなか継続しなかったり、一人だけに負担がかかってしまって、
続けられないという状況が生まれてしまうんですね。

よっぽどモラルが高くて、根性がある人じゃないと続けられない。

けれど、チームだと、お互いプロフェッショナルですから、良い緊張関係が生まれるんですよね。

1つの荷物をちょっとずつシェアするので、負荷が小さくなりますよね。そうすると、軽々とまわっていきます。

そういった安心感があるので、チームも最初から打ち解けていきますね。

ただ、良くなかったのは、本業が忙し過ぎて、すぐにチームから抜けてしまった人も発生したことですね。。


VOICE

それは、作業の割り振りがうまくいかなったということですか?


嵯峨

実は、3つのプロジェクトで成果がでたのは2つで、1つは失敗してしまったんですよ。

その理由は、途中でメンバーが仕事が忙しくて抜けてしまったこともあるんですが、
新しく中心になった人が自分の裁量でプロジェクトを大きくしすぎっちゃったんです。

つまり、離陸はしたけど着陸できなかった。

最初に、僕がWebサイトの実現可能な目安として20ページくらい作成すると決めていたのに、
あれもこれもと、どんどん増えていった。

そうしたら要求水準が上がり、落し込みが出来ないボリュームになってしまったんです。

また、デザイナーがロゴに気をとられてしまったというのもあります。

Webサイトを完成することが目的だったんですが、タイトルデザインをする過程で
ロゴを変更することに意識が向いてしまったんですよね。

今更いうと恥ずかしいんですが、タイトルイメージとロゴは全く違います。

ロゴは組織全体をあらわしますからね。

本来の目的以外の課題に目がいってしまい、プロジェクトから脱線し、全体として着陸ができなかったんです。

ここで、僕がすごく学んだことは、ボランティアの仕事はふくらみすぎるとダメだということ。

ボランティアというのは半分無責任な存在なんです。

自分で扱えない範囲まで手を広げてしまうボランティアほど危険な存在はないです。

境界線を超えないように、線を明確にしないといけない。

そこの仕分けをきちんと行ってプログラムをつくらないと、
無駄な負荷がボランティアにかかってしまいます。

これは、プロボラを活用していくうえで非常に大事なところだと思います。


VOICE

それを、最初のプロジェクトで経験出来たのは、良かったですよね。

この他にも失敗といえることはあったんですか?


嵯峨

細かい事なら本当に沢山ありますよ。

賑やかなお店で会議をしないとかね。笑 

2、3人でやる分にはいいんですよ。けど、5、6人じゃストレスが溜まりますよね。

ちゃんとお金をかけて、ホワイトボード等がある場所でやったほうがいいですからね。

MTGはサービスグラント全体で顔合わせせる数少ない時ですからね、ちゃんとやらないとね。



「善意と善意がぶつかり合う!-それを解消するマーケティング視点-」


VOICE

ボランティアに負荷を与えすぎないために、しっかりとタスクの仕分けと線引きを行う。

これを行うグラントマネージャーとプログラムオフィサーは大事な役目ですね。


嵯峨

そうですね。

プログラムオフィサーは、これまでは大体僕がやってきましたが、いかに参加者が楽しんで取り組めるか、
無駄な労力をつかわずに取り組めるかを考えています。

僕は、時間や発想と同じように、善意も有限な資源だと思ってるんです。

やっぱり、どっかで使いすぎると、どっかにシワ寄せがいってしまうという感覚があります。

善意を早めにだしきってしまわなように常に気をつけてます。


CFJ

なめらかにプロジェクトが進むようにするということですね。

最初にエンジンをかけすぎると、途中でガス欠してしまうと。笑


嵯峨

いやほんとうにそうですよ。

だから、初めにあまり盛り上がらないようにする。笑 

なめらかに進めるために、サービスグラントは初めに成果を設定して、
週5時間を目安に活動しているんです。

僕は、最初にみんなで集まって、「それじゃあこれから何をやろうかと?」
というタイプのボランティアは無理があると思っています。

「何をやるか」に頭を使ってしまうと、実際にそれを落し込む段階で苦労する。

もちろん、「何をやるか」を決める、ワークショップのプロボラもいると思いますけど。

僕は基本的に、実際に落し込みをやる人に「何をやるか」を考えさせるのは、間違った使い方だと思います。


CFJ

まず、落し込みに集中してもらうと。

何をやるかはNPO側、ないしはプログラムオフィサーが予めヒアリングを通じて決めておく。


嵯峨

そうですね。

やはり、「何をやるか」を決めるというのはプロボラから外れると思うんですよね。

サービスグラントで来る方はNPOのプロフェッショナルではないんですよ。

コミュニケーションや情報発信のプロであって、NPO運営のプロではない。

だから、このNPOに何が必要っていう議論はややもすると素人の議論に陥りかねないのです。

僕もNPOをやらせてもらってますが、変な人にコンサルとかうけたくない。笑 

問題はわかってるけど、どう広げればいいか、広げるための落し込みが出来ないから困ってるのに、
ペーパーとかつくってるなら、営業とかやってくれと思ってしまう。

僕は、プロボラには実際にスキルを発揮してほしいんですよ。


CFJ

そこはすごく大切ですね。

NPO本来の目的を考えると、「何をやるのか」を考えがちになってしまいます。

けれど、まずは目の前の課題から入ってみる。


嵯峨

僕も日本総研でコンサルだったんです。

やはり、コンサルはどんだけ頑張っても自分がやるってことはないんですね。

委託者がいて、受託者がいる。

コンサルはあくまで委託者に対するコンサルなんです。

実際に何かをやるのは委託者なわけです。

そうすると、委託者に体力がないとダメでしょ。NPOは体力ないんですよ。

イデアは、10も100もたくさんあるけど、実行が出来ない。

人もいなければ、お金もない。

だから、NPOのニーズとしては、実行、落し込みをしてほしい。


CFJ

単純にプロボラが増えるだけではダメだと。


嵯峨

やはり、コーディネート力やマネジメントをするのは大事です。

ボランティアだからこそ効率的にやらないとダメだと思うんです。

ボランティアはイヤになったら逃げられますからね。本業は逃げにくいけどさ。


CFJ

外部の人が、ちょろっとNPOに来て、何か意見を言ったりすると、
既存スタッフのプライドが傷つくなど、人間関係が悪くなることはあるんでしょうか?


嵯峨

ああ、それは場合によってはあると思いますよね。

文脈にもよると思うのですが、その「意見」がどれだけNPOの側にとって
役立つものかによると思うのです。

往々にして、外部の人が思いつきで言う意見の中には、

NPO側ではもう数年以上課題になり続けていて解決策が見つからないでいるようなことを指摘して、
いい気分になっている、という人もいるような気がします。

それは、解決できない理由があるので、指摘したり意見を言ったりしても何の解決にもならないんですね。

そういう中途半端な外部の人達に、

「ここがたりない」とか言われるとやっぱムカつくかもしれないし、
人間関係が悪くなるということもあるかもしれないよね。笑 

やはり、NPOがここまで来ているのも、今やっていることも、それなりの理由がある訳であってね。

そこでいきなり「全然広がってない」とか、「もっとこうしたらいい」とか言われてもね。

もちろん、NPO側も注意する必要があります。

プロボラはもちろん熱意も技術もあるんです。

そういう人の扱いは注意しないといけない。

そういう人を無下には扱わず、大事に扱ってほしい。

善意と善意が出会った時に起きる不幸があるんですよね。

僕は、それが起きないためにも、マーケティングの視点が非常に大切だと考えています。

マーケティングはつくる人の立場でない視点が必要なんですよ。

マーケティングはあくまでも、うける側の視点にたってコミュニケーションをデザインしていくんです。

NPOもプロボラもつくる側・提供する側に立ってしまうと、いつまでも折り合わない。

お互いが受ける側を向いていれば、足並みを揃えられるんですよ。

だから、サービスグラントのなかでもマーケティングフェーズは重要で、
そこが一番最初にきます。

マーケティングって、なかなか深い言葉で、結構難しいんですよね。

僕もようやく、こういうことなのかなって分かってきたくらいで。

やっぱり、マーケティングは宣伝とか販促とか値付けじゃなくて、
受け手の側の反応や知識レベルが大事ってことなんです。

タップルートファウンデーションからもらったツールがあるんですけどね、
ターゲット設定、ターゲットにどういうメッセージを伝えるかに至るまでの質問があるんです。

その中で鍵となるのが、ターゲットがイシュー(課題)に対してどういう知識レベルをもっているか、
そしてどういう言葉で共感を得られるかというものです。

つまり、ターゲットがわかる言葉で説明していかなくていけないんですよ。


CFJ

上から縄をおろして登ってこい!と言うのではなく、
相手のステップを把握し、階段をつくるという事ですね。


嵯峨

そうそう。

まず、ターゲットに伝わる言葉を発見するためには、
ターゲットに対するヒアリングを行う事が大切です。

ターゲットが、何にどのくらい関心を抱いているのか、
どの言葉に反応するかを、チームで共通認識をもっていく。

コミュニケーションを成立させるうえで大事なことは共感です。

だとすると、HPでいきなり団体概要やミッションから掲載しても、
ターゲットには響かないんですよ。

ですから、サービスグラントでは、まず、NPOの方とお会いした時は、

「僕たちはどういう人にヒアリングをしたらいいですか?」と質問するんです。

NPO側もターゲットの考えやニーズを分かってない事が多いんです。

下手をすると、なぜボランティアが事務所に来ているのかについても分かっていない。

vol.1サービスグラントTOKYO 嵯峨生馬氏 (1/3)

changeforjapan2008-06-24

今回は「プロボラ!」初のインタビューです。
記念すべき第1回目はサービスグラントTOKYO、嵯峨生馬さん。


嵯峨さんは渋谷を中心とした地域通貨アースデイマネー*1の活動で有名ですが、一方で、サービスグラントTOKYO*2という先駆的な活動をされています。



僕たちは、今回そこに焦点を当てていきました!

嵯峨さんはプロボラであり、NPO経営者であり、プロボラとNPOの折衝をまとめるプログラムオフィサーでもあります。

様々な経験をされてきた嵯峨さんが、なぜプロボラというコンセプトに出会ったのか、
そして今後のビジョンを含め語って頂きました。



Profile

1974年、横浜生まれ。
1998年 東京大学教養学部第三(相関社会科学)卒業し日本総研に入社。
同社にて、シンクタンクの事業企画部で新事業の創造に関わる。

2001年には地域通貨フォーラムの運営を進める一方で、
プロジェクトチームの中心人物として渋谷に「アースデイマネー」を導入。
2003年よりNPO法人アースデイマネー・アソシエーション代表理事
2006年3月に日本総研を退社し、渋谷・宮益坂に「オフィス・アップサイジング」を設立し
、サービスグラントTOKYOや地域通貨システム開発などに専心している。
著書に『地域通貨』(NHK生活人新書)等。





「タップルートファウンデーション!? 出会いは突然に、そして偶然やってくる。」



VOICE
サービスグラントTOKYOを始めるきっかけが、タップルートファウンデーションを知ったことだったようですが、
この財団を知った経緯は何でしょうか?


嵯峨
本当にたまたま知ったんですよ。

前に勤めていた、日本総研の仕事で国土交通省の案件があったんですよね。

まちづくり等を行っているNPOがどうやって資金調達しているのかを国内外で調べてほしいと。

そのために、サンフランシスコのある団体を調査しに行きました。
そこで、彼らが調査中に、「来週HPを更新するから!」と言ってきたんですよね。

そして、そのHPはタップルートファウンデーションがつくってくれたんだと教えてくれました。
その時は、へえーと思って、タップルートという言葉だけメモって日本に帰国しました。


VOICE
最初からタップルートファウンデーションを目当てに、サンフランシスコへ行ってはいないんですね。


嵯峨
そうなんですよ。

それで、帰国してからタップルートのHPを見て、これはすごい団体だと思いました。

財団というと、ドッシリしたイメージがあったのですが、大分違う。

むしろベンチャーっぽく感じられたんですよ。

それから、雑誌やネットの記事でタップルートを調べていくうちに、その理由が分かってきました。

タップルートの代表はアーロン・ハーストという人なんですが、
彼はもともとシリコンバレーのIT企業でマーケティングの仕事を経験してから、NPOの分野へきた人物だったんです。


彼は、ドットコム企業にいるような優秀な人のスキルがソーシャル分野に
全く使われていないことに気がつき、起業した。

僕はこれは、素晴らしいと思った。

活動自体もそうですが、実際に成果が出ているのが凄いと思いましたね。


それに自分と同年齢だった。笑


VOICE
そして、04年5月にタップルートを訪問することになるんですね。


嵯峨
そうですね。3日間行ってきました。初日にアーロン・ハーストに会い、
タップルートのMTGに出させてもらいました。

そして、残りの2日間でタップルートの支援先を3団体ほど見ました。


VOICE
実際に訪問してみてどういった印象をもちました?


嵯峨
まず、ハーストは僕みたいに自分から喋ってくれないんです。笑  

すごい短く話し、本当に何でも早い。もう、メールなんて本当に短い。笑 

けれども、大変暖かい人物なんです。


彼のあのスピード感がタップルートの成果を実現してるんだろうなあと思いました。

また、支援先に訪れて感じたのは、NPOにとってサービスグラントのボランティアは普通では出会えない人達なんだということ。

「彼らは何百ドルの価値がある」といっていましたね。


VOICE
サービスグラントを日本でもやってみたいとハーストさんに言った時、

「まずは小さく産んでみることが肝心だよ」とアドバイスを頂いたようですが、
他にもアドバイス、気づきはありましたか?


嵯峨
日本とアメリカじゃ状況が違うだろうから、現場に併せてやってみたらいいよといわれました。

もうひとつ言われたのは、外資系の企業に当たっていけばいいんじゃないかということですね。

それは、企業の役員に支援先のNPOの理事や顧問になってもらうまでコミットしてもらえということです。


また、役職だけではなく、個人的にお金を出させるというのも大事だということでした。

タップルートファウンデーションにアドバイザリーボードというのがあって、
そこには企業のCMO(Chief Marketing Officer)とかCIO(Chief Information Officer)が何人もいるんですよ。

まず、コミットする経営者を増やす必要があるということです。

例えば、ウェルズファーゴ銀行のCMO(Chief Marketing Officer)がアドバイザリーボードになっています。

彼は社員にサービスグラントでボランティアとして参加することを奨励しているんですよね。

そこで、なぜ奨励しているかということですが、それは、ビジネススキルの育成に役立つと思っているからですよ。


ビジネス向けの研修プログラムもいいですが、タップルートにいってNPOや社外の人間と協業する中で得ることも高い価値がある。

そういう認識を経営層がもっているから、プロボラになることを会社で奨励しているんです。


まだ日本じゃ考えられないでしょ?笑

*1:アースデイマネーとは、NPOの活動にボランティアとして参加したり、寄付をした人が手に入れることができ、手に入れたアースデイマネーをつかうと、街のお店やイベントなどで割引やプレゼントなどの特典が受けられます。お店も、いいお客さまが来店するのでハッピーです。つまり、地球や街にいいことをすると、その人にもいいことがある。お店もうれしい。そんな「いいこと」のつながりを目に見えるカタチにしたのが、アースデイマネーなのです。
http://www.earthdaymoney.org/about.php?id=1

*2:サービスグラントとは、NPOに対してお金を支援する助成金(グラント)と異なり、知恵やアイデア、プロフェッショナルスキル等を提供することによって、NPOの活動を応援するプログラムです。WEBサイトやパンフレット等の情報発信ツールの制作をはじめとして、NPOに不足しているスキルやノウハウを提供することにより、NPOの認知拡大、ボランティアや支援者の拡大などを後押しし、ひいては、NPOがより自立した形で運営できるような手助けをすることを目的とする活動です。 サービスグラントTOKYOは、ご自身のスキルをつかってNPOを応援したいと考えるボランティアのメンバーを募集し、こうしたボランティアのメンバーを5〜6人のチームとして編成し、NPOとのマッチングを行い、NPOに対して、WEBサイトやパンフレット等の成果物を提供するまでのコーディネイトをしています。
http://svgt.jp/about/index.html